総入れ歯
総入れ歯は、すべての歯を失った場合に適用する取り外し式の入れ歯です。人工の歯茎の部分である「床(しょう)」が口腔内に吸盤のように密着することで安定します。総入れ歯の装着時には、違和感があるというイメージがありましたが、現在は技術の進化により、優れた装着感を実現できます。
「総入れ歯」において重要なこと
「総入れ歯」は口腔内で吸盤のように密着する必要があります。歯ぐきの形状は、患者様によって異なるため、患者様おひとりおひとりのお口に合わせて入れ歯を作製することが重要です。お口を開けた状態、閉じた状態、笑った状態など、さまざまなお口の動きに対応できる入れ歯が求められます。お口の中は、非常に複雑な構造をしているだけではなく、舌や唇、頬の粘膜や筋肉が常に動きます。そのため、入れ歯を作る際にはこれらの動きに対応できるように設計する必要があります。良質な入れ歯を作るためには、歯科医師や歯科技工士の豊富な経験と知識が不可欠です。適切な材料の選定や噛み合わせの調整、入れ歯の装着感を高めるための技術が求められます。材料の品質はもちろん重要ですが、経験や知識がなければ最適な入れ歯を作製することは難しいでしょう。
部分入れ歯
部分入れ歯は、一部の歯を失った場合に使用する入れ歯です。失われた歯の周囲に健康な歯がある場合に適用されます。部分入れ歯は取り外し式であり、残っている歯にバネをかけて固定する仕組みです。ブリッジのように両隣の歯を削る必要がありません。ただし、バネをかけた歯には負担がかかります。
「部分入れ歯」の注意点
保険の部分入れ歯は、周りの歯に金属バネをかけて支えるため、ある程度の安定性があります。しかし、金属バネの特性上、食事の際などに奥歯に力を加えると、違和感が生じることがあります。特に、初めて部分入れ歯を装着する場合は、慣れるまで強い違和感を覚えるでしょう。違和感の原因は、天然の歯と人工歯の硬さや高さ、形の違いです。適切な診断に基づいて入れ歯を作製することで、違和感や周りの歯への影響などを抑えることができます。