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入れ歯治療、自由診療の治療費の考え方(Vol.2)

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保険治療のメリット

前回のコラムでは、『自由診療』について当院の考えを簡単にまとめました。

それでは、具体的に保険治療のメリット・デメリット、そして自由診療のメリット・デメリットに触れていきたいと思います。

まず、保険治療のメリットです。

国民皆保険制度により、私たち日本国民は義務として健康保険料を国に納める義務が生じています。私たちが支払っている保険料は、日本国民が医療機関に受診した際の治療費にあてがわれ、健康保険証を持っている日本国民は、その治療費の1割もしくは3割程度の自己負担で医療をうけることができるという最大のメリットがあります。

みなさんも、非常に安い治療費で歯の治療が受けられることもご存知でしょう。1回の治療は数千円で受けられます。(時には数百円という場合も)

しかし、保険は全ての治療に適応されるわけではありません。
個々が罹患している「病気」に対して最小限の治療までしか適応できないように設定されています。どこまでも際限なく保険を適応にすれば、国の医療費は膨らみパンクしてしまうからです。よって、歯科治療の分野では、矯正歯科治療やホワイトニング、メタルフリーの審美歯科治療(セラミックなど)などには適応されないわけです。

ある意味、見た目(審美性)の部分は最小限の医療を逸脱しているという理解ですね。

そういう意味では、保険適応範囲内の治療というのは、最小限の治療であるという事を踏まえておく必要があります。

保険治療のデメリット

前述したとおり、安く受けられる保険適応内の治療ですが、反面デメリットもあることを押さえておかなければなりません。

健康保険制度における治療は、基本的に時間としての軸は関係ありません。
つまり、数分で完了する治療も1時間かかる治療も、歯科医院経営側からすると国から入ってくるお金(保険分)は同じです。

そうするとどういうことが起きるか。

じっくり時間をかけて丁寧に、とことん質の高い治療をすればするほど利益が削られる(赤字)というわけです。そのため、通常の歯科医院では、効率よく治療を行う事を強いられます。患者さん側にしてみれば、『歯科医院の経営なんて知ったことはない、すべて丁寧にやってほしい。』と思われるでしょう。

もちろん、歯科医院側も意図的に医療者として手抜き治療を行うことはありませんし、目の前の患者さんのために尽力している事は言うまでもありません。

しかし、歯科医院も経営していかなければなりません。

そのため保険適応内の治療ということにおいては、必然的に限界がでてくることを患者さん側も理解しておく必要があるのです。これまで正直、医療の分野における保険治療と自由診療はシークレットの部分でした。しかし、患者さんの事を考えれば考える程、きちんと説明しておかなければならないと考えております。

『自由診療』を理解していただくためには、どうしても『保険診療』のデメリットもちゃんとお伝えする必要があるのです。

しかしそんな中、最近では歯科医療の中でも『自由診療』で、見た目も美しく機能性に優れた治療を受けたいというご要望が増え、だいぶ定着してきました。

次回以降では、『自由診療』のメリットをご説明いたします。

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