食事を楽しみたい方におすすめの「金属床義歯」
金属床義歯とは、床の部分が通常のレジン（歯科用プラスティック）ではなく金属でできている入れ歯のことです。レジンに比べて、床を薄く製作することが可能ですので、異物感が軽減され、温度を感じやすくなることなどがメリットです。お口の中にとって、入れ歯はある意味で異物ですので、少しでも異物感が少ない方が快適にお食事やおしゃべりができます。金属床は、昔から使用され進化を遂げている入れ歯になります。
「金属床義歯」の特徴
- ほとんどの症例で使用することができる。
- しゃべりやすく違和感が少ない。
- 金属は熱伝導性に優れているので、食事をした時の温度感覚が自然に近くなる。
- 汚れが付きにくいので清潔。
- 保険のもの（プラスチック製入れ歯）よりもピッタリと合った入れ歯が完成する。
- 割れにくく、変形しにくい。
金属床義歯のメリット
金属床を使用することで、入れ歯を薄く作ることができます。そのため、入れ歯の厚みによる違和感が少なく、自然な話しやすさを実現します。金属は強度が高く耐久性があるため、割れる心配がほとんどありません。さらに、金属床は表面が滑らかであるため、汚れや着色が付きにくく、清潔な状態を維持できます。
金属床義歯のデメリット
金属床義歯は、一部の粘膜に触れる部分が金属でできています。そのため、お口の中の形状や歯茎の状態によっては、しっかりと固定されずに落ちたり、外れやすくなることがあります。また、金属アレルギーの原因となる可能性があるため、心配な方は事前にアレルギーの有無を確認した上で、入れ歯の種類を検討することが重要です。
金属床義歯で
使用する金属の3つの種類
金（ゴールド）
金は腐食による変色が起こりにくいため、入れ歯を長期間美しく保つことができます。他の金属よりも耐久性が高く、経年変化が少ない素材です。金は柔らかくても強度があり、精密に加工できます。そのため、入れ歯を細かく調整し、患者様のお口に合わせた理想的な形状や噛み心地を実現できます。
チタン
チタンは生体親和性に優れていることから、歯科領域だけではなく整形外科においても使用されています。非常に軽量な金属であり、入れ歯に使用する金属部分はわずか4.5g程度（1円玉5枚程度）です。そのため、装着した際の負担が少なく、快適な装着感を実現できます。
コバルトクロム
コバルトクロムは、優れた熱伝導性を持ちます。食べ物の温度を感じやすくなるため、食事への影響を抑えることができます。さらに、金属の中でも美しい仕上がりが得られる材料です。
金属床義歯のよくある質問
入れ歯の床が薄いとなぜいいの？
金属床義歯は金属で作られているため、一般的な樹脂製の入れ歯よりも薄く作ることができます。薄い床は入れ歯全体の軽量化につながり、お口の中に装着した際の違和感を大幅に抑えます。また、薄い床は舌に対する圧迫感を軽減します。発音や食事の際の違和感が少なく、自然な口内の感覚を維持できます。
温度が伝わると何がいいの？
入れ歯の金属部分が温度を伝えることで、食べ物の温度を感じやすくなります。温かい食事や冷たい飲み物を摂取する際に、お口の中で食物の温度を感じることができるため、食事の楽しみが失われません。