症例

違和感を最小限にし、ご自身でのお手入れや管理が容易な設計の入れ歯に。

こちらの方は、以前に私たちの診療所で治療を受けられた方で、ここ数年の新型コロナウイルスの影響により、予定のメンテナンスを受けることができずにおりました。

その間に近隣の歯科医院で新しい入れ歯を作製されたものの、しっくりいかず、こちらで新しい入れ歯の治療と全体の口腔内の管理を望まれ、再び当院に足を運んでくださいました。

これまでの治療経過、咬合の特性、力の強さ、年齢等を全て考慮に入れ、総合的な診断の結果、ミラクルフィットⅢタイプの義歯（入れ歯）治療を選択しました。
被せ物の治療をされていた部位は義歯の左右の咬合バランスを考慮し根面板（歯を平面に切り落とし整える処置）として、義歯の咬合力を受け止める土台に利用しました。

患者さんのご年齢や咬合力が以前ほどは強くないことを考慮し、義歯そのものの強度を重視した入れ歯よりも、違和感を最小限にすることや管理のしやすさを優先した選択となりました。

また、将来どのような口腔内の変化が起こり得るか、また患者さんがむし歯や歯周病に罹患した場合にどの部位をどの程度保全できるか等のシミュレーションを行い、その人の生活状況に最適な治療を提案することに重点を置きました。

さらに、この患者さんは比較的遠方から通院されておりましたので、今後メインテナンスで来院することが困難になるかもしれないことを考慮し、ご自身でのお手入れや管理が容易な設計を心がけました。

もし将来的に通院が困難になった場合には、家族などの第三者による入れ歯の取り外しや清掃が容易にできることも重要となります。