症例

見た目が自然な入れ歯でした

こちらの患者さんの来院のきっかけは、当院が監修するホームページの入れ歯情報ページでした。

これまで地元の歯医者さんや大学病院にも行きましたが、なかなか思うような治療に巡り合えなかったそうです。

ユアー歯科クリニックには、セカンドオピニオンとして違う先生の客観的な意見が聞きたいという方が沢山いらっしゃいます。診療中は予約で詰まってしまいますので、診療の合間で対応させて頂くとどうしてもお待たせしてしまうことがあります。

そこでここ数年は、昼休みと診療後に人数を限定しての「入れ歯相談」の時間をとるようにしています。

女性の入れ歯相談となると、周囲に他の患者さんがおられたり、待ち時間が発生する診療中よりも診療時間以外でお受けした方が良いだろうと始めものです。

治療ではなく相談ですし、時間外のことですから、費用も無料にしています。実際にお口の中を拝見させて頂き、検査を希望される場合は、ご都合の良い時にご予約を取って頂き、保険診療で行う流れになっています。

今回は、入れ歯を作り直したいというご希望でした。

すでに使用している入れ歯は、上は保険の総入れ歯、下は金属のフック（クラスプ）を使う部分義歯でした。お口の状態にフィットしていなかった上に、上下での噛み合わせが良くないため、ますます不具合を感じる状態でした。

どのような入れ歯も、最初はフィットしていても口腔内は変化してきますし、上下が入れ歯の場合は噛み癖や、残っている歯の状態などにより変わってきます。

そこで、今回は残っているご自身の歯を守り、上下の噛み合わせに細心の注意を払い、上下同時に治療することで、咬合を再構築する治療計画を患者さんと一緒に立てて行きました。

上顎の総入れ歯は、自然な見た目、審美性の高い治療が希望でしたので、BPSデンチャーを採用ました。BPS (Biofunctional Prosthetic System)　生体機能的補綴システムとしてイボクラールビバデント社（リヒテンシュタイン）とヨーロッパの歯科大学、臨床医が共同で開発した精密義歯です。

一般的な入れ歯とは製作の工程が異なるフルオーダーメイドの入れ歯ですので、その方の口腔内にぴったりとフィットし、歯やはぐきの色、形状、並び方などを細かくオーダーメイドで作れるシステムです。入れ歯の工程で大切な型取りや色や形状のオーダーを伺う場面では、専門の歯科技工士が派遣さて治療に立ち会うこともあります。

歯ぐき色や血管の様子までオーダーできる入れ歯に対応できる歯科医院は、なかなかないかもしれません。

下顎は歯周病が進行していましたので、先行して歯周病治療を行いました。併せて進行を抑え、これを長持ちさせるためのお手入れ方法も習得して頂きました。

また、万が一既存の歯が悪くなり抜歯となった場合は、入れ歯にその部分だけ増歯できる設計にしてあります。見た目も金属のバネが見えなくコンパクトなミラクルデンチャーを採用しまた。
シリコン義歯のコンフォートも検討しましたが、予後の口腔内の変化を想定し、小さく違和感が少ない特徴のあるミラクルデンチャーとなりました。

現在は、定期的にメンテナンスにお越しになり、良い状態をキープされ大変喜んで頂いています。