症例

No.28「じっくりと時間をかけて作るBPSデンチャーは美しさを気にする女性に人気」(60代 女性 千葉県)

症例

通院中の歯科医院が閉院に

この方は、ホームページで当院を探され、治療のご予約で来院されました。
(無料相談からでなくても、直接診療のご予約も可能です)
通院していた歯科医院が閉院になり、「入れ歯専門の歯医者」で探して当院にお電話を頂きました。

近年、このようなケースに遭遇することがあります。

一般的に若い歯科医師は入れ歯よりも、インプラント治療を第一選択としているケースが多いようです。入れ歯治療の経験が豊富で、様々な入れ歯に対応できる歯科医師は比較的ベテランの方が多く、入れ歯が得意な年配の歯科医師が引退して閉院するといったことがあるのかもしれません。

こちらの方は、10年ほど前に製作された金属床のパーシャルデンチャー(部分床義歯)を修理しながら使っておられました。しかし、入れ歯が緩くなり、噛みづらい、合っていない状態が長く続き、今回新たな義歯製作(入れ歯)をされるために、市外から電車で通院されることになりました。

部分入れ歯から総入れ歯

もともと使用していたのは金属床の部分入れ歯でした。

しかし、残っていた歯が徐々に悪くなり、抜歯せざるを得なくなり、その都度、増歯(抜けた部分に入れ歯の歯を足す義歯の修理方法)をして対処されておられました。最終的に1本を残して全ての歯が無くなってしまったため増歯の修理では難しい状況でした。

総入れ歯となると、上の歯の場合は、口蓋(上あごの天井の部分)を床で覆うことになり、それがない部分入れ歯からすると抵抗感があり、増歯で対応していたようです。

しかし、もともと部分入れ歯と総入れ歯では設計思想が異なります。

部分入れ歯の場合は残った歯に維持装置をかけて安定させます。保険義歯の場合は金属のフック、ミラクルデンチャーのような審美義歯の場合は目立たないピンク色の歯ぐきに似せたような装置になります。
総入れ歯の場合は、歯ぐきの土手となる柔らかい部分で全体を吸着させるようになっているといった違いがあります。

部分入れ歯の延長が総義歯という訳でなく、お口の状態やその方の生活習慣、噛み合わせの癖などに合わせて一から製作をし直すことが必要性をご理解頂きました。

治療用義歯からリハビリ開始

合わない入れ歯の状態で長く使われていたため、歯槽骨が吸収してきており(いわゆる顎の骨が無くなってくると言われる状態)、口腔内の形状が変化し、土手の部分が下がってしまっていることで、すぐに最終的な入れ歯を入れることは難しいという診断でした。

そこで、リハビリテーション義歯を最初に製作し、新しい噛み合わせの位置を決め、正しい噛み方に慣れて頂き、何度も調整を繰り返した上で、最終的な入れ歯の製作に入りました。
リハビリ義歯の期間は約2カ月、だいたい1~3カ月くらいが多くなります。

入れ歯治療の場合は、保険と自費でどのように違うかとよく聞かれますが、素材についてはもちろんですが、やはり診断、リハビリ、調整、製作工程といったプロセスが大きな違いになって来ます。

時間がかかるという点ではご負担かもしれませんが、このような手間暇をかけないで、単純に良い金属を使った義歯では、長い目で見た時に良い結果が得られないということもあります。特に金属床義歯は軽くて薄く、熱が伝わりやすいなどのメリットはありますが、お口の中の変化に合わせた修理には不向きな面もあります。

今回、採用した超精密義歯BPSデンチャーは、歯科用プラスティック素材を床の部分に使用したものですが、高圧で特殊処理された非常に丈夫なプラスティックです。これは、後から修理、微修正にしっかり対応できるというメリットがあります。

超精密BPSデンチャー

超精密義歯のBPSデンチャーは(Bio functional Prosthetic System = 生体機能的補綴システム)、本社がリヒテンシュタインにあるイボクラールビバデント社の特殊義歯です。

BPSデンチャーについてはこちらを御覧ください

BPSデンチャーは、専門の教育を受けた、歯科医院、歯科技工所でしか扱うことができないシステムになっており、ユアー歯科クリニックでは千葉県内で、かなり早い段階から取り入れてきました。

BPSデンチャーでは、入れ歯の生命線と言われる型取りの治療は、専門の歯科技工士が診療所に来て、歯科医師と一緒に行う工程があります。機能印象と言って、日常的にお口を動かしている状態を再現し、何度か型を取って行くという複雑なもので、アポイントにして2~3時間くらいかかることがあります。

その時間は患者さんにとってもご負担で申し訳ないのですが、ここでじっくりと時間をかけて丁寧に処置をすることで、最終的な入れ歯の出来栄えに直結するところですので、ご協力を頂いています。

また、BPSデンチャーの良いところはフルオーダーメイド製作されますので、よく「キレイすぎて入れ歯っぽい」ということがないように、もともとの自然な歯の再現を目指しています。
歯並びや、色は勿論のこと、前歯の形も選べるようになっています。ピンクの床の部分を歯茎に見せる繊細な加工、歯の多少の着色など使用感を見せるような手作業の加工が行われます。

これにより、特に審美を意識される女性の方から高い評価を頂いております。

治療の概要

費用

上顎 BPSフルデンチャー  約600,000円(税別)
下顎 BPSフルデンチャー  約600,000円(税別)

治療期間と回数 リハビリ義歯の期間は約2カ月、だいたい1~3カ月くらいが目安です。
副作用とリスク 慣れるまで口腔内で異物感を感じることがあります。

 

BPSフルデンチャー

BPSフルデンチャー

BPSフルデンチャー

BPSフルデンチャー