症例

No.12「最初は不安でしたが入れたその日から良く食べられました」(80代 女性 千葉県)

症例

上と下の入れ歯の噛み合わせに問題

今回ご紹介する患者さんは、当院にすでに通院しておられる患者さんのからのご紹介で来院され患者さんのケースです。

こちらの患者さんは、3年ほど前に、ご自宅近くの歯科医院さんで作った入れ歯がどうしても痛いということで、この痛みを解消して欲しいというのがご要望で相談にいらっしゃいました。

まず最初に、診査・診断からはじめました。よく調べてみると、上顎に総義歯、下顎の左下には、すでに『ノンクラスプデンチャー』をお使いだったのですが、この2つの入れ歯の噛み合わせに問題があることが解りました。

こういうケースの場合、一般的には、自分の歯(天然歯)の方に強い力が加わります。そのため、左下のノンクラスプデンチャーの沈み込みが大きくなってしまい、咬合のバランスが悪くなっており痛みが出てしまいます。

さらに、歯(天然歯)がある右下は、入れ歯の方の上が痛くなっていました。また、残っている歯の歯並びがあまり良くなく、傾斜している歯が多いため、これも不具合の原因でした。特に、一番奥の歯の傾斜が上の入れ歯と当たって不具合も生じていました。

そこで、まずはいったん、この奥歯の被せ物を外し、土台にプラスティックの蓋をする状態でスペース作るなど、全体の噛み合わせを調整しながらの治療となりました。

入れ歯が痛いときは、入れ歯でない歯を疑う

前述したとおり、入れ歯が痛い場合は、その入れ歯よりも、その入れ歯と噛み合っている反対側にアプローチをしなければ解決しないことがよくあります。

そのため、いくら合わない入れ歯を一生懸命調整しても、また、入れ歯安定剤で騙し騙し調整しても解決しないのです。

中には、入れ歯を自分で削ったり、ペンチでフックを曲げたりしてくる方がいらっしゃいますが、これは絶対にやめた方が良いでしょう。
必ず、専門の歯科医師に相談して、全体の咬合をみてもらう治療をお薦めします。

こちらの患者さんは、右下の奥歯のブリッジも咬合に合うように再治療を行い、その他の虫歯の治療もいくつか処置を行うことで、全体の噛み合わせが少しずつ良い状態になっていきました。全体を見て入れ歯を調整していくことの大切さが分かっていただけたかと思います。

大きくても違和感のない設計の入れ歯

今回、これまでノンクラスプデンチャーが入っていた部分の、左下の小さな入れ歯は反対側までまたがる両側タイプで維持力を確保するタイプのミラクルデンチャーを採用しています。

実は、特殊な形状のミラクルデンチャーでは、片側だけの小さな入れ歯も可能でしたが、しっかり維持して咬合力を高める方法にしたのは、お口全体のバランスを見ての判断でした。

患者さんは当初、大きくなってしまった入れ歯に不安を感じておられましたが、出来上がって使ってみると「入れたその日からよく食べられ、しゃべりにくいこともない。違和感があまりなくてびっくりしました。」との喜びのお声をいただきました。

このように、ミラクルデンチャーは、見た目はノンクラスプタイプで審美的にも優れているほか、薄くできており違和感を小さくすることに長けた入れ歯です。
特に、一番奥の歯がない場合の入れ歯の設計としては、「両側にまたがるが違和感が少ない」という入れ歯は、とても喜ばれています。

治療の概要

費用

280,800円

治療期間 1ヵ月(通院3回)
副作用とリスク 慣れるまで異物感を感じることがあります。

 

Before

Before

After

After

ミラクルデンチャー

ミラクルデンチャー