噛むことと脳への刺激(Vol.2)
2016.12.26
『噛む』という行為が、脳の機能と大きく関わっている事が注目されています。
認知症を持つ高齢者で、認知症の度合いが重度の人ほど、噛む機能も低下していることが研究結果で分かっているほか、歯がない人や入れ歯を使っていない人など、噛むことになんらかのトラブルがある人には、痴呆の症状が多いという結果が出ています。
記憶を司るのは、脳の中の海馬という部分です。海馬を経由する記憶力の機能は、年齢をと共に萎縮していきます。そのため、年をとると物忘れがひどくなったり、覚えが悪くなったりするのです。これは、脳の老化現象なので、避けることのできない自然現象ではありますが、その老化をできるだけ食い止めるために影響しているのが『噛む』という機能です。
『噛む』という行為は、直接、海馬に働きかけ、脳の活性化を促進すると言われています。
よって、年をとって歯がなくなり、噛むことができないため柔らかいものだけを食べ続けていると、海馬への刺激が低下し、脳の機能も低下しやすくなってしまいます。
自分にあう入れ歯を作り、しっかり『噛む』という事の機能回復に努めることが最も重要です。