口腔機能の低下とサルコペニアの関係(Vol.5)
2017.02.10
昨今、高齢者が抱える身体的な問題の一つに『サルコペニア』があります。『サルコペニア』とは、加齢に伴う筋肉量の減少の事で、全身の筋肉量の減少により歩行困難などの身体機能に問題が生じる事が問題となっています。
この『サルコペニア』の原因の一つとしてあげられるのが口腔機能の低下です。
全身の筋肉量が低下することにより、口腔内の筋肉量も減少。それらにより十分な食事がとれないことにより、さらなる栄養不足を引き起こします。この悪循環がさらなる『サルコペニア』を引き起こし、最悪の場合、寝たきりなどになる可能性があります。
これらを予防するためにも、まず改善が必要なのが口腔環境です。
筋肉量が減っているのだから、運動などによる筋トレが必要だと考えてしまいがちですが、栄養状態が悪化している段階で筋トレを行うと、かえって筋力が低下します。
まずは、きちんと食べ物を噛める口腔内を作り、必要な栄養素を摂取できるようにすることから改善を図っていきます。
そのためにも、虫歯や歯周病の治療を含め、ご自身にあった義歯を作ることが大切になっていきます。
その上で、摂食や嚥下にかかわる首からお口の筋肉を鍛えるトレーニングなどを行います。
身体を作るためには、噛むこと、食べることが基本であることを再認識し、義歯の調整をすることが重要です。